いちごは女の子

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いちご味の食べものが苦手だった。


ディズニーランドのお土産で頂いたと思われる、缶入りのチョコを、
おやつに食べよと手に取り、かぱっ、と開けると、
ミッキーと、ミニーの張り切った包みがぴかぴかしていた。
ミッキーにはミルク、ミニーにはストロベリーと書いてある。

今まで、選ばなかった、ミニーをとった。
美味しいわけじゃないけど、
気分悪くなる味でもなかった。

小学生のころにはもう、ピンク色が嫌いだった。
中学生のころには、いちご味が苦手になっていた。
香りに酔って、気分が悪くなるので、
いちごポッキーを、分けあって食べる同級生を眺めていたような気がする。

赤い、本物のいちごは好きだった。
いちごの味がしない“いちご味”は、
嫌いなピンクの“ピンク味”であるから、
嫌いだった。

女の子の色、ピンクへの嫌悪が、
いちご味への嫌悪。
いかにも香料という感じのいちご味が苦手やと思っていたけど、
それ以上に、女の子に、酔い、嫌っていたんやなぁ、と感じた。

きのう、ミーティングでいっしょだった、
十代かもしれない女の子は、
女の子であることに自覚的な、女の子で、
可愛いなあ、と思った。
男の子に、助けてもらって可愛く笑う女の子。

近くで見ていたときには船酔いみたいになってたけど、
わたしは、もうたぶん遠いとこにいるので、見つめても大丈夫。

いちごポッキーも、今なら大丈夫かもしれないなぁ、と思った。