今夜、突然の雷雨

黒澤明の映画は、観ているとどうにも、黒澤明に怒られているような気分になる。
常に画面の右上あたりに丸い枠があり、その中に黒澤明がいて、こちらを叱っているような、そんなような、気がする。

いきなりなんのこと、という感じやけど、
京都文化博物館で、黒澤明の映画がかかるというのを見たところだったので、以前から思っていたことが、つい。



ここのところ、家族の老化に伴う変化(あまり良い感じではない)が、
もともとのわたしの個人的地獄と相まってきている。きていて、キテる。
数年後、この時期のことを思い返す、というところまで、這っていかなくちゃ。生きていかなきゃね、って前野健太が歌ってるし。

家族の老化というのもあるけれども、テレビの外付けハードディスクも老化したみたいで、
先日、撮りためていた一切合切が消え去った。
こういったものに、からきし弱いので、よく分からないのだけど、
レコーダー?じゃなくて、外付けハードディスクだからか、
DVDに焼くなども出来なかったので、好きだったものも、ただただ溜め込んでいた。

溜め込むのにも、残りの録画時間と戦いがあり、結果として厳選してきたどうしても残したいものばかりが、一気に消えた。

オードリーさんぜひ会って欲しい人がいるんです、のあの回もこの回も、
きょうの料理のたまらなく美味しそうなチーズケーキの回も、
サラメシの、あのバスの運転手さんの回も、冷凍食品のカップの底の励ましの言葉を楽しみにしているサラリーマンの回も、
森崎東のドキュメンタリーも、
わたしに一時の元気をくれた、幾多の番組がぜーーんぶ消えた。

それで、ここに、もう一度録画を見てから書こうと思っていたことを、
もう一度見ることも叶わなくなったので、書いてしまおうと思う。

NHK Eテレの、スイッチインタビューという番組の、綾野剛さんと、ピースの又吉直樹さんの回。
又吉さんが出演された劇場で、終演後、客席でふたりお話されていたシーンで、
印象に残った言葉を、書き起こして、残していた。

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綾野:街の景色とか見てて、点滅しているのを見てると、悲しく見える瞬間があるんですよ。ま、それが東京タワーでもなんでもいいんですけど。その点滅していることになんか、物悲しくなる瞬間があるんですけど、又吉さん見ていてそんな感じになりました。褒め言葉ですけど。

又吉:点滅してるネオンみたいな。
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これだけやけど、なんだかとても心に残った。見直すことが出来ないし、これ以上書くことは思い浮かばないけど、
今、読み返しても、やっぱりいいなあ、と思う。

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こないだ撮ったネオン。
夜だとなお良かったけど、まあ。


日記じゃなくて、月報のようになってるな、今月も15日あたりに書くかな、
なんて思ってたらもう20日。
明日は東寺では弘法さんだな。
前に行った時に、たしか、三重だかどこだったか少し遠方から出店しているというおじさんから、前夜に着いて、東寺の周りに車を停めて、車でねむる、と聞いた。
翌月の20日の夜、確かに東寺の周りに車が沢山停まっていて、
毎日のように通っていたのに(前の職場は東寺の近くだった)、
全く見ていなかった、考えていなかった。地面ばかり見てたのかもしれない。

今夜は、雷雨がすごいから、
車中泊の出店者の方々は、いつもより楽しいんじゃないかな、とか、想像する。

明日は晴れのようだから、雷が光ってから音が鳴るまでを数えながら安心してゆっくり眠ってください。

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これは、5月8日に、「恐怖分子」という映画を観に行った帰りに撮った、
私的最新の東寺。この日も美しかった。

(追記:載せた写真は2枚とも、同じ日に撮ったものなんやけども、今日、この日記を書くために撮ってたみたいだな、と、少々嬉しくなった。そういうものなんだろう。)