スモーク

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夜の散歩中、こう、見上げて。
なんでだか、頭の中に映画の「スモーク」が浮かび、
その主人公オーギーが、
毎日同じ時刻に、同じ場所を撮影するのと同じように、
これを撮ったらどうかな、
いや空とビルだけやから、つまんないよな、と考えた。

そして、もし、「スモーク」のオーギーが、
今の時代に実在すれば、
デジタルカメラ、もしくはスマートフォンで撮影して、
(たしか、オーギーはきちんと三脚を立てて、フィルムカメラで撮影していた。)
毎日インスタグラムに載せたりするだろうか、
と想像して、とてもにやにやしてしまった。
オーギーは、絶対しないだろうと思う。

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これは、虹を見た日。

「スモーク」は、
ポール・オースターの小説が原作の映画で、
舞台はニューヨーク、ブルックリン。
監督は、香港のウェイン・ワン
それで、制作はアメリカと、なんでかドイツと日本が入っている。

主人公のオーギー(ハーヴェイ・カイテル)は、ブルックリンで、
新聞やタバコ、お菓子なんかを売ってる雑貨店を営んでいて、
毎朝、その店の前に出て、同じ位置・同じ時刻に、街角へ向かって一枚だけシャッターを切る。

映画館に勤め始めて、最初の年だったか、その次の年だったかのクリスマスのころに、
この映画がかかって、その時に一度観たきりなのだけど、
(もちろん、封切りではなくて、クリスマスだから、と、旧作としてかけていた。
制作に日本が入っていたけど、封切りのときはどんなだったんだろう。ハーヴェイ・カイテルも来日したのだろうか。)
以来、クリスマスの度に、
ああ、「スモーク」観たいなぁ、と思っている。

どうして、クリスマスなのかというのは、
わたしには核心に触れないように書くことができないので書けないけど、
この映画の原作の小説のタイトルは、
「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」といいます。


あー、書きたいなぁ、と思ったことほど、まったく思うように書けない。
考えるほど、言葉がこぼれていく。
映画館にいない今年も、「スモーク」が恋しいクリスマスイブを迎えます。