わびすけ

f:id:varjoja:20140317225300j:plain

ちょっとしたお手紙を書く用事ができて、
がさごそ引き出しを探って出て来た便箋は、
大学一回生の頃、少しだけアルバイトしていた、喫茶店のものだった。

ちょっと、もう遅いかもしれないけど、桃の便箋だったので、これを使うことにした。

喫茶店は、同志社大学の向かいにあった“わびすけ”というところで、もうなくなってしまっている。
これは、わびすけオリジナル便箋。

店先の、アルバイト募集と書かれた大きな貼り紙を見て、応募した。
客席の真ん中に、大きな大きな金魚鉢のあるお店だった。
同志社大学の、静かなお客様が多かった。

今思えば、とても良くしていただいていて、
この便箋も、辞めるときに、
「ちょっと色つけといたし」というお給料とともに、いくつか頂いたものだった。
優しくしていただいていたのに、何もお返しできていなかったことを、
今になって、申し訳なく、情けなく思う。

わびすけは、昨年くらいに、
たてものが取り壊されて、わびすけビルとなった。
工事しているその前で、立ってはった警備のおじさんに、
「わたし、ここで、アルバイトさせてもらってたんです」と、たまらず、話しかけてみたけど、
働いていたときのことは、もううまく思い出せなかった。


f:id:varjoja:20140317230929j:plain

(これは、土曜日、高木コーヒーで。いいとこです。)