おじいさんが鳩にほほえんでいたなあ

ついに、歯科医院への通院が終わった。治療は全部済んで、あとは仕上げ?とかなんとか、ということで、歯磨き指導等あって終わりかな、と思っていたら、なにやら轟音のでる機械がそばに置かれ、歯石を取り(推測)、歯を磨かれ(これは磨きます、と言われた)、した。思うよりハードな施術を乗り越え、次は定期検診で半年後くらいでいいよ、とのこと。医院のみなさまににこやかに送られ、嬉しくなる。前は、親知らずを抜いてもらって、虫歯もやりますよ、と言われたまま途中で放り出してしまっていたので、ちゃんと終わりまでこれてよかった。大人になってから得られる達成感のなかでもなかなかの上位のものなように思う。姿だけ見れば、仰向けに寝ているだけやけど。終えることができてよかった。


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歯石をとったイメージ…ではなく、今日撮ったのではないけど、通ってる歯科医院のそばにて。

 

そのあと、ちょっと久々にクロバーに寄りお菓子を購入。お店の方みなさんがご家族なのか、そうではないのか全然分からへんのやけど、帰り際、お母さんらしき方が、後ろからよろめきつつ男性を押しのけ、「移転のお知らせ」の用紙を差し出し、丁寧に説明くださった。今の店舗は2/10までとのこと。訪ねます、と言って辞去。


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しわしわにしてごめんなさい。

 

そのうちカフェに行こう、と思うも開店までまだ30分ほどあったので、招福亭に行くことにする。心のなかで 親子丼そばセット と唱えながら歩く。このとき、おやこどんそばセット ではなく おやこどんぶりそばセット と言わなくてはいけない。招福亭の方は、必ず、どんぶり と言うので、おやこどんください、と言ってしまった時なんかは忸怩たる思いがこみあげる。そりゃあ、おやこどんと言うより、おやこどんぶり、と呼んだほうが断然美味しそうじゃんね!!!招福亭は正義!すみませんでした!と心で言う。


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が、今日は到着しメニューを見やり、口から「天とじ丼そばセットください」という言葉が出た。入店直前、「天ぷらそばひとつ〜」という言葉が聞こえてしまったせいやと思う。今思い出したけど、少し前、すずなりでわたしが食後ホットチョコレートラムを頼んだところ、居合わせた4人組の女性のうち2人がホットチョコレートを頼まはって、もしやわたしがインフルエンサーかとニマニマとした気持ちになった。そんなん初めてだったな。


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招福亭はテレビがあって、いつもNHKがついてるんやけど、今日は、「かんさい熱視線」を観ながら食べた。

 

前回来たときやったか…ツイッターみたら去年の12/18やった。

 

『きのう歯医者後、招福亭。お店のテレビでやってたNHKの番組で京都のすっぽん鍋の店ではコークスの火力に耐えられるように土鍋を育てていますが、土鍋の他に店主が育てているものは?ってクイズあって。答えが「デコトラ」やった。たぶん向こう半年は思い出して笑いそう。おもろいにも程があると思う。』

 

ほんまに、去年のテレビで心に残ったののベスト5には入るなあ。そのほかはラヴィット(へい!オプティマスプライム!、嶋佐OASISサンボマスター)と阿佐ヶ谷アパートメント(ブルボンヌさん滝修行)などなど。

 

で、今日のかんさい熱視線は、阪神大震災の特集やった。「作って食べて生きて」というタイトルで、当時17歳だった息子さんを亡くされた70代の女性が、息子が好物だったもつ煮を作って話す。11年間は自分の母の介護に追われていた。母を見送って、ふと、息子が好きだったもつ煮を作った。会えたような気持ちになった。それから、息子に会いたいと思ったときに作っています、というお話やったんやけど、ぐずぐずと泣きながら天とじ丼を食べた。もう、ここが自宅やったら号泣してた。

 

続いて同じ特集で、今度は父親を亡くされた男性が出てたけど、なぜかそちらは涙も出ずに、ごはんも食べ終わったので会計して出る。ぐずぐず泣きながら温かいものを食べていたので、ハフハフと息があがったようになりながら、車の通れない細い六条通りを東に進む。

向かいから歩いてきた小柄なおじいさんが、足元にいる鳩を、右に左に、とよけて、上から鳩を覗き込み、にこっと笑った。顔をあげて、向かいから来る私に気付き、すっとマスクを口元に上げて、うつむき気味に、わずかに会釈をしてくださったような…?というごく控えめな様子で通り過ぎる。

 

鳩に向けたにこっとした表情を思い浮かべて、

それは鳩に向けたものですらないんじゃ・なんて尊い瞬間を見てしまったんかな・涙が出る

が同時にやってきた。

木々や花が笑うのを見た、ようなものかな、わたしは、こういう瞬間に触れたくて、美術館や劇場やらに行くんだよな。でもそれに触れられたと思う作品でもやっぱりこれとは違うのかもしれない。


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「はだかのゆめ」、素晴らしかった。

公開から3ヶ月くらいで3回観た。こんな短期間に映画館で3回観たのはたぶん初めてやった。

 

かんさい熱視線を見てふらついていて、きらきらに見えすぎたのかもしれない。そうでなければ、おじいさんが鳩にほほえんでたなあ、ってだけのことかもしれない。

でも、やっぱり、あの一瞬は、特別に美しかったとも思う。


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2,3年前に通勤路で見たねこじゃらしが、そういう特別な美しさだった、と思って写真めちゃくちゃ探したけど見つからない。撮らなかったんかな。

 

書き残したい、と思って、ぱたぱたとそのうちカフェへまっすぐやってきて、ばばばばば、と書いた。

 

前回訪ねたときは、満席だったけど、追いかけてきてくださって、おにぎりいただいた。そのお礼を買いたくて、クロバーでクッキーを。追いかけてきておにぎりをくれるカフェはあまりないと思う。サービスで出してくださった柿を切ったときには、種の断面が美しかった、と見せてくれはった。ほんとによいとこ。よいとこだから、このとこ人気で混んでるけども。


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さて新年一回目の日記。

今年はもうちょい記録できるかな。本も読みたいな。


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