嘘くさいやつ

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(ユリヤ商会のレシート)

2015/09/07 月曜日

昨晩、この日記を書いた後に、
友人よりメールが届く。

わたしが送った内容への返事とともに、
脈絡なく、エグザイルのダンス動画へのリンクが貼られていた。
笑顔が素敵、と。

ちょうど土曜の夜に、ミュージックフェアで見た、
三代目ジェイソウルブラザーズに、大変気になる人がいて、
ただ座ってるだけでもどこか異様で、
踊ってもなにかどうにも惹かれるものがあり、
このメールをくれた友人(というか、先輩)はとても博識で、バレエやコンテンポラリーダンスもよく知っておられるので、
また、この三代目のひとについて聞いてみようと思っていたところだった。

で、エグザイルとはちょっと違うのかもしれないけど、
これこれこうで、三代目ジェイソウルブラザーズの人が気になっている、という旨したためてお返事送ったところ、
先輩がその動画で熱心に見ていた人もまた、同じこの人だということが分かった。

前にも、先輩とはこんなふうな符号があった。
動画のリンクを、わたしに送ってみよって、思ってもらえて良かったなあ。

その時間に、とてもひさしぶりにNHKエフエムをつけていた。
言っていることがなんとも、言葉の端から端まで嘘くさい女性の声が聞こえていた。
なんて嘘くさいやつだ!!
と、思いつつも、一体誰なのかわからぬままに、聞くともなく聞いていた。
途中、曲があけたときに、女性が番組名とともに自分の名も紹介した。

その女性は、わたしが高校生の頃に一冊だけ文庫を買って、
本に対して怒ることなんて滅多にないのだけど、読みながら、
なんて嘘くさいやつだ!!
と、腹を立てた小説家だった。

10年以上経っても、嘘くさいやつは変わらず嘘くさく、
変わらずそう感じるわたしも大して変わってない。
わたしもまた、嘘くさいやつ。


母と夜のスーパーへ行った。
レジを済ませた後、ビニールに品物を詰めているときに、
母が少し声を出しながら笑っていて、
どうしたん?とたずねると、
レジの人が、ちょっと変だった、と。
おしとやかなくちぶりで、急いでる様子はないのに、レジが速かった、と笑っていた。

たしかに、どうして速いのか、観察しても分からないのに、
カゴからカゴへ、品物が吸い寄せられるように移っていた。
同じように感じていた、と母に伝えたけど、わたしはそのことでは笑わない。
その手つきを眺めていたいな、とぼうっとしていた。
同じものを見て、似たことを感じていても、起きる感情は、家族といえども違うんだなあ、と思った。

あと、「長くレジに勤めてるんじゃない?」とくちからするすると、母に返事をしながら、
でもきっとそうじゃないよなあ、と心で思っていた。

その感覚をうまく説明できる気がしなくて、言えなかったけど、
ああいう手つきはたぶん、長く勤めてるから、というもので、そこに至るんじゃないだろう、とは思う。
そういう手つきに出会うとうれしいし、見ていたいし、憧れる。


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2015/09/08 火曜日

祖父の入院する病院へ。
つらかった。
帰り、駐車場から車が出るのを待ちながら、
国道を眺めていて、
“いろんな気持ちが本当の気持ち”と唱えた。
長嶋有さんの本のタイトルで、とても好きな言葉。
なのに、未だ読んだことがない。

いろんな気持ちが沸き起こって、どこにも行き着けないので、
帰って大きな音でラジオをつけた。
今日のNHKエフエムからは、オアシスのワットエバーがかかった。
どんな歌詞なのかは知らないけど、
なんかおあつらえむきだなあ、と、すこし泣いた。

23時までだけ、と決めたつもりで、
久々に道具箱を引き出した。
箱を引き出す、って変やけど、
上から三段目はわたしの道具箱なんで。

ユリヤ商会のレシートは、このなかから引っ張り出したもの。
何をするでもなく、見ているだけで23時なんて一瞬ですぎた。